犬の飼い主さんへ
犬の主な病気と予防
フィラリア症
概要
フィラリア症は、犬の心臓にフィラリアというソーメンのような虫が寄生することで起こる疾患です。 フィラリアの幼虫を保有している蚊が犬を吸血することにより感染します。 犬の体内に入ったフィラリアの幼虫は3~4ヶ月かけて成長しながら移動し、 最終的に成虫となって心臓に寄生します。 犬から犬へ直接感染することはありません。
症状
感染してもすぐに症状は出ませんが、
進行すると心臓や肺、肝臓など様々な臓器に負担がかかり、
徐々に咳をしたり運動を嫌がるようになります。
さらに重症化すると、腹水や呼吸不全などの症状も見られます。
また、稀にフィラリアが心臓の中を移動して血流を妨げ、
急激な貧血や呼吸困難を起こす「後大静脈症候群(ベナケバシンドローム)」と呼ばれる状態に陥ることがあります。
この場合、急いでフィラリアを摘出する手術を行わなければ、
ほぼ確実に死亡してしまいます。
予防と治療
フィラリアは一度感染すると簡単に駆除することができないため、
感染しないようにすることが最も重要です。
予防薬には、内服薬、スポット剤、注射など様々なものがありますが、
いずれも犬の体内に入ってきたフィラリアの幼虫を成長する前に駆除するものです。
適切に投与することで、ほぼ確実に予防することができます。
すでにフィラリアに感染してしまっている場合も、
新たに感染しないよう予防を行いましょう(フィラリア成虫の寿命は5~7年程度です)。
症状がある場合は、内服薬等により症状を抑える治療を行います。